結節性硬化症とは

結節性硬化症(TSC: Tuberous Sclerosis Complex)は、全身のさまざまな臓器に良性の腫瘍(できもの)ができる遺伝性の病気です。
「結節」はしこり、「硬化」はかたくなった状態を意味し、もともとは脳の表面にかたいしこりができることからこの名がつきました。

1. なぜ起こるのか?

原因は、細胞の増殖を抑えるブレーキ役をしているTSC1またはTSC2という遺伝子の変化です。このブレーキがうまく働かないため、体中のあちこちで細胞が過剰に増え、良性腫瘍が作られます。

  • 約3分の2は、親からの遺伝ではなく、突然変異によって発症します。
  • 約3分の1は、親からの遺伝(常染色体顕性遺伝)です。
2.症状が出る主な場所

腫瘍自体は良性(がんではない)ですが、できた場所や大きさによって体にさまざまな影響を与えます。

部位主な症状・特徴
皮膚白い斑点(白斑)、顔のブツブツ(血管線維腫)、爪の周りの腫瘍など。
てんかん発作、発達の遅れ、自閉スペクトラム症などの特性。
腎臓血管筋脂肪腫(AML)。大きくなると出血の痛みが出ることも。
リンパ管平滑筋腫症(LAM)。息切れや気胸の原因になる(特に女性)。
心臓心横紋筋腫。胎児期や新生児期に見つかることが多い。
3.診断と治療の考え方

現在は医学が進み、早期発見と適切な管理ができるようになっています。

  • 診断: 視診、CT・MRIなどの画像検査、および遺伝子検査などを組み合わせて行われます。
  • 治療: 根本的に遺伝子を治す方法はまだありませんが、mTOR(エムトール)阻害薬というお薬が登場し、腫瘍を小さくしたり、進行を抑えたりすることが可能になりました。また、てんかんに対しては抗てんかん薬や外科手術が行われます。

大切なポイント
症状の出方や重さは、人によって本当に千差万別です。一生ほとんど症状が出ない方もいれば、幼少期からケアが必要な方もいます。そのため、専門の先生(皮膚科、神経内科、泌尿器科などが連携するチーム)による定期的なチェックが非常に重要です。

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