代表的な4つのアレルギー疾患

さとう先生

乳幼児期から学齢期にかけては、成長に伴ってアレルギー症状が変化していく「アレルギー・マーチ」と呼ばれる現象が見られることがあります。代表的な4つのアレルギー疾患について、時期ごとの特徴と注意点をまとめました。

食物アレルギー

時期: 乳児期(離乳食開始前後)から発症しやすく、成長とともに耐性を獲得(治る)ことも多いですが、学齢期まで続く場合もあります。

  • 主な原因: 鶏卵、牛乳、小麦(乳幼児期の三大原因)。学齢期以降はピーナッツ、そば、果物なども増えてきます。
  • 症状: * 皮膚: じんましん、赤み、かゆみ。
    • 呼吸器: ゼーゼーする、咳、鼻水。
    • 消化器: 腹痛、嘔吐、下痢。
    • アナフィラキシー: 急激に全身に症状が広がり、血圧低下や意識障害を起こす重篤な状態。
  • 対処法: 医師の診断に基づいた**「必要最小限の除去」**が基本です。自己判断での完全除去は栄養面に影響するため避けましょう
アトピー性皮膚炎

時期: 生後数ヶ月から始まることが多く、学齢期には良くなる子もいれば、慢性化する子もいます。

  • 症状: かゆみを伴う湿疹が、顔、首、肘や膝の裏などに左右対称に現れます。良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
  • 対処法: * スキンケア: 低刺激の石鹸で清潔にし、保湿剤でバリア機能を補うことが最優先です。
    • 薬物療法: 炎症がひどい時は、医師の指示通りステロイド外用薬などでしっかり炎症を抑えます。
    • 環境整備: ダニ、ハウスダスト、ペットの毛などの刺激を減らします。
気管支喘息(ぜんそく)

期: 3歳くらいまでに発症することが多く、小学校入学前後で落ち着く「小児喘息」が一般的ですが、学齢期に再発することもあります。

  • 症状: 夜間や明け方、運動時、あるいは気圧の変化などで「ゼーゼー、ヒューヒュー」という音がし、激しい咳や呼吸困難が起こります。
  • 対処法: * 発作の予防: 症状がない時でも、吸入ステロイド薬などで気道の炎症を抑える「長期管理」が重要です。
    • 発作時の対応: 苦しそうな時はすぐに吸入薬(気管支拡張薬)を使用し、改善しない場合は夜間でも受診が必要です。
アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症含む)

時期: 以前は学齢期以降に多いとされていましたが、最近は低年齢化が進み、幼児期から発症する子も増えています。

  • 症状: * 鼻: 透明でサラサラした鼻水、連続するくしゃみ、鼻詰まり。
    • 目: 目のかゆみ、充血、涙目。
  • 対処法: * 抗原の回避: 花粉シーズンはマスク・メガネを着用し、帰宅時に服を払う。室内はこまめに掃除機をかける。
    • 薬物療法: 抗アレルギー薬の内服や点眼・点鼻薬で症状を緩和します。
さとう先生

保護者の方が気をつけること
アレルギーは一つの症状だけでなく、複数を合併しやすいのが特徴です。
肌のバリアを保つ: 乳児期からの適切なスキンケアが、後の食物アレルギーや喘息の予防に繋がると考えられています。
緊急時の備え: アナフィラキシーのリスクがある場合は、緊急補助治療薬(エピペン)の携帯や、園・学校との情報共有(生活管理指導表の提出など)が欠かせません。

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