自閉症スペクトラムへの公的なサポート制度

自閉スペクトラム症(ASD)に関連する日本の公的サポート制度は、医療、経済的支援、就労、日常生活の4つの柱で構成されています。
これらは大きく分けて、「手帳の有無に関わらず受けられるもの」と「障害者手帳を取得して受けるもの」の2段階があります。

1. 医療・経済的な支援
ASDの診断を受けている場合、医療費の負担を軽減したり、手当を受け取ったりできる制度があります。下の表をご覧ください。

制度名内容備考
自立支援医療(精神通院)外来通院の自己負担額が原則1割(所得に応じた上限あり)になります。手帳がなくても診断書があれば申請可能。
障害年金日常生活や仕事に著しい制限がある場合、国から年金が支給されます。20歳前からの症状でも受給の可能性があります。
特別児童扶養手当20歳未満の障害児を育てる保護者に支給されます。知的障害の有無や程度により判定されます。
特別障害者手当重度の障害により日常生活で常時介護が必要な場合に支給されます。非常に高いハードルがありますが、対象となる場合があります。

2. 障害者手帳(証明と優待)
ASDの場合、以下の2種類の手帳のいずれか(または両方)が対象となります。

精神障害者保健福祉手帳:主に発達障害(ASD、ADHDなど)の症状に対して交付されます。

療育手帳:知的障害を伴う場合に交付されます(自治体により「愛の手帳」など名称が異なります)。

手帳を持つメリット

税金の減免:所得税、住民税、自動車税などの控除。

公共料金の割引:公共交通機関(電車・バス)、NHK受信料、美術館や映画館の割引。

障害者雇用枠での就労:企業に設けられた専用の枠で応募が可能になります。

3. 生活・就労の支援機関
専門のアドバイザーに相談できる窓口が全国に設置されています。

相談窓口】

発達障害者支援センター: ASDを含む発達障害全般の専門相談窓口です。本人だけでなく家族も相談できます。

基幹相談支援センター: 地域での生活全般(福祉サービスの使い方など)について相談に乗ってくれます。

【就労支援】

ハローワーク(専門窓口): 「発達障害者雇用トータルサポーター」などの専門スタッフが就職を支援します。

就労移行支援事業所: 一般企業への就職を目指し、通いながらスキルアップや面接対策を行える福祉サービスです。

障害者就業・生活支援センター: 仕事面と生活面の両方を一体的にサポートしてくれる機関です。

4. 子ども向けの支援(療育)

児童発達支援: 未就学児を対象に、集団生活への適応や個別のトレーニングを行います。

放課後等デイサービス: 小・中・高校生が、学校帰りや長期休暇中に利用できる居場所兼訓練施設です。

通園受給者証: これを取得することで、手帳がなくても格安(原則1割負担)で療育施設を利用できます。

Asaka

まずはどこに相談すべき?

お住まいの市区町村の「障害福祉窓口」または、都道府県の「発達障害者支援センター」に連絡するのが第一歩です。

制度の申請には主治医の診断書が必要になることが多いため、受診されている場合は先生に「利用できる制度について検討したい」と伝えてみてください。

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